数ある東宝の怪獣映画の中でも、鉄的注目度の高い作品が1956年12月26日に公開された「空の大怪獣ラドン」でしょう~久々にDVDを堪能しました。(1) この時代にして、早くも地球温暖化について触れているなど、なかなか奥深い・・・
主な舞台は九州~冒頭から阿蘇山にある炭鉱(映画ではそういう設定になっています)が登場、行き交うトロッコの列に鉄は引き込まれます・・
ストーリーの詳細は、これからご覧になる方のために書きませんが、この炭鉱内で起こることがラドン登場の伏線となっていて、なかなか緊張感のある展開で話は進みます。
この炭鉱には何かがいる・・・・(よくある展開って言えばそうなんですが・・)
(4) 鉱夫隊の乗る人車は本物か?それともレプリカ?などということが鉄的には気になってしまいます
ロケとセットが混ざっていると思える炭鉱のシーンには「インディジョーンズ」かと思えるアクションシーン(↓)もあって飽きさせませんし、何よりトロッコが大活躍するのが嬉しい。
(7) そして主人公(?)ラドンは犠牲となった阿蘇山観光客の写真の片隅から、その姿を地上に現します。
(8・9)佐世保市上空に現れるくだりでは、昭和30年代の佐世保駅や、市内を走る西肥バスが映し出されます
市民はみんな空飛ぶ大怪獣を見上げています~こういうシーンってなんだかお約束だしウソ臭いけど、いかにも映画的で楽しいですよね。西肥自動車の社名アップも意図的に違いない・・・
(10) ボンネットやキャブオーバータイプのバスも映し出されているのが時代ですねえ。
怪獣映画に限らず、古い映画の町並みロケのシーンでは、クルマやバスの形も興味の的です~もちろん電車が出てくれば一番いいんですが。
(11) ラドンが巻き起こす最初のスペクタクルシーンの舞台は、映画公開の前年に開通したばかりの西海橋です。ここでも西肥自動車大活躍!
このように、映画が娯楽の王様(!)として多くの観客を集めていた時代には、地方の企業(特にバス会社のような交通企業や観光業)は、映画のロケには涙ぐましい協力をしています。
西海橋が登場したのも、開通直後の客寄せを目論んだに違いありませんね。
(12・13)ところが!映画の中では西海橋はこんなことになっちゃっうんでした~
ラドンの翼が巻き起こす風圧で、開通1年にして海の藻屑と消えていく~でも、この映画に登場したおかげで観光客は増えた、と言うのですからまずはめでたしメデタシ。
今回の記事のタイトル「ラドンはなぜ西海橋を壊したか?」の真相はズバリ・・
タイアップだったからでした。~しかし1956年にはタイアップってコトバはあったのでしょうか?
同じこと(=タイアップ)はこの後の東宝怪獣映画でも行われ、日本各地のランドマーク・観光名所が次々に怪獣に木っ端微塵に壊され続けました。モスラが繭作った東京タワーなんか、思わず拍手でしたね!
もし今怪獣映画が作られたら、ターゲットはやはり●●●●●ーでしょうね。T武さんがOK出すかどうか知りませんが・・・
この手の映画では、戦前の傑作「キングコング」のNYの高架電車をはじめ、我々の大好きな汽車・電車も結構ひどい目にあってますが、中でも傑出した名シーン(?)がこの映画に登場します。これは鉄=特に電車ファン=なら必見のシーンですたい(なぜか九州弁)
その話は次回に続くですたい・・・・
この記事へのコメント
hanamura
ものぐさ太郎
gop
http://987.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29
既にスカイツリーは壊されてるみたいです。
なにわ
鉄道公安官やさすらい刑事旅情編だってJNR~JR全面協力ですし。
そうそう、初代ゴジラは有楽町からまっすぐ西へ進まなかったのは、某所を破壊できなかったからですね。
それと、ラドン温泉といえば、南海本線羽衣のホテル新東洋ですか?
ラジウム温泉ってのも銭湯の中にありましたけど、今考えたら怖い話ですよね。
Cedar
ラドン・ラジウム・ゲルマニウム~かつてはいろんな温泉がありました。最近そういえば聞かないですね。
■ものぐさ太郎様
確かにあいつは高すぎます。キングギドラが10匹くらいで総攻撃ですかね?
■gop様
結局行けずに終わってしまいました。実は一度行ってあまりの混雑に諦めて帰りました。
■なにわ様
古くは「JNR鉄道公安36号」って言うドラマがありました。
古い日活映画で、和田浩二(漢字が違っているかも?)主演の映画で淡路交通が全面協力してるのを観たことがあります。
でもわざわざ壊されるために登場するのは、今だとNGでしょうね。
なにわ
あんな建物、要らんわいと思いながら見てましたが。
そういえば子供たちが117系で東福寺までやってくるシーンがあったような記憶が・・・。
はーさん
怪獣から鉱山のトロッコまでとは敬服しました。
生来、臆病なので、怪獣は苦手!!
今回はスキップなんて、思いながら何となく、最後まで拝見ましたが
最後に目玉が出てきましたね。
次回をお楽しみとのようですが、地平時代の西鉄福岡駅、
発車を待っているのは、モハ1、モハ200でしょうか?
ターミナルデパートの岩田屋も立派ですね。
これらはラドンに破壊されるのですね。
次回が待ち遠しくなりました。
Cedar
平成ガメラは残念ながら観ていません。。大映系怪獣はなかなか踏み込めなくて~「大魔神」で終わっています。
■はーさん様
プロフィールにあるように自称多趣味人間ですので~レールが2本並んでいれば反応します!
普通の映画の趣味の延長で特撮にも嵌っていましたが、最近のCGの進歩は何でも出来ちゃうので逆に興味なくなっています。
~なにしろ次回をお楽しみに!でございます。ちょっと笑えるネタも・・・
★あるまーき様
★triguraf様
★プント様
★ひでほ様
★takechan様
★シュウチャン様
nice!ありがとうございます
狂電関人
おおーっ、待ってました!
ラドンネタですね!!!
バスが、西肥自動車なのが残念ですね。
やっぱしバスも西鉄じゃなかといかんバイ。
最後のカット、西鉄福岡地上駅がよかねーっ。
続きが楽しみやねー。
っと博多っ子の電関人でした(爆)
Cedar
>やっぱしバスも西鉄じゃなかといかんバイ。
西テツ、ってレタリングが関東人には衝撃的でしたね。
>最後のカット、西鉄福岡地上駅がよかねーっ。
さすが本場の九州コトバ~ですたい(笑)。
>続きが楽しみやねー。
はいはい~なんですが、先週の例の鉄分会ねたを急遽アップしてしまいそうです。ラドンは1回お休みかな(爆)
★nd502様
nice!ありがとうございます
は博多魂
UZ
早岐駅も長崎駅の高架化に伴う長崎車両センターの移動もあって相当変わるようです。
む〜さん
映画公開の翌年の夏、福岡へ行きまして、その岩田屋の大食堂でちゃんぽんを食べた事まで覚えています。
岩田屋と西鉄福岡駅、リアルに出来ていますね。
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link181-01.html
Cedar
ご訪問とコメントありがとうございます。映画と鉄道が好きなガキにとっては、この映画は痺れました。
中でも西鉄福岡駅のシーンはよく出来てるなあ~と思いながらあることを発見したのです=それは次回のお話で~
■UZ様
佐世保に限らず地方都市も高架駅が増えました、それに伴って個性的な駅舎がずいぶん消え、いずこも同じような感じですね。
■む〜さん様
HPの西鉄福岡駅のお写真は素晴らしい! まさに映画のセットそのままですね~って話が逆でした(笑)。
★やまびこ3様
★UZ様
★nd502様
★あおたけ様
nice!ありがとうございます
麻生 敏隆
1956年って、私の生まれる半年前だったのですね。
見た記憶は、ビデオかなにかなのかな?
ありがとうございました!